2008.04 【2007年度末公開報告会】
危険に関する知見を社会的に共有する仕組みの構築を目標とした「危険学プロジェクト(詳細1)」(代表:畑村洋太郎氏)において、2007年度の活動を報告する公開報告会が3月23日(日)、六本木ヒルズ森タワー49階アカデミーヒルズにて開催されました。
一般募集で370名が参加
この度の公開報告会は、2007年4月に新たに発足した「危険学プロジェクト」の1年間の活動内容とそこで得られた知見を取りまとめたものです。ウェブサイトを通じて一般からの参加を募集したところ、多くの参加申し込みがあり、当日は370名の参加者が集まりました。
起きてはならない事故を防止するために
重大な事故を防止するためには、どこにどんな危険が潜んでいるか、どういったプロセスで危険に至ったか、抽象的にではなく具体的に考える必要があります。どんなに安全のための対策を施したと思っていても、人間は「見たくないものは見えない」「聞きたくないものは聞こえない」「聞きたいことは聞こえる」という性質があります。また、技術が進化することで、人間が担う範囲が狭まり、その結果、従来は人間がカバーできていたことができなくなりつつあります。
こういった状況のなかで、起きてはならない事故を防止するためには、どこにどんな危険があるかを知って行動するための「危険学」が非常に重要な役割を果たします。
「危険学」では、狭義の原因究明に限られることなく、事故の防止を最終目標に、自動車や鉄道、運輸、機械、ソフトウェアといった分野の壁を超えた様々な人たちが自主的に集い、協力して、社会・組織・人間の考え方や行動様式の解明にまで踏み込んで調査研究を行っています。
プロジェクト活動の一環「情報発信と知識共有」
報告会では、プロジェクトを構成する12のグループ(詳細2)の活動内容を紹介するとともに、特に情報発信、知識共有すべき重要な成果として「エレベータ・エスカレータ実験(詳細3)」「「絵本『子どものための危険学』の出版と実験(詳細4)」」「危険学における情報収集と発信のシステム構築(詳細5)」について詳細な報告がありました。
畑村洋太郎代表は1年を振り返り、「ボランティアが基本の“手弁当”のプロジェクトでどれだけのメンバーが集まるか心配だったが、最初に見積もった80名を軽くクリアしただけでなく、みるまに参加者が増え、2007年4月の立ち上げ集会時点では100名近いメンバーが馳せ参じてくれた。その後も参加希望者が絶えず、2008年3月23日現在で、プロジェクトメンバーは130名を越すまでになっている。どうなるかと思っていたプロジェクトも思っていたよりはるかに具体化し、世の中への情報発信とフィードバック系が具体化している」と話されました。
■危険学からみた医療安全プロジェクトシンポジウム
2007年度末報告会に先立ち、3月22日(土)には、「危険学からみた医療安全プロジェクトシンポジウム」が開催されました。
■研究日程
主要な活動は2007年度を含めて3年間行われ、その後の2年間で研究結果のまとめと情報発信がなされる予定です。
■危険学プロジェクト協力
危険学プロジェクトは、人・資本・技術面から下記のような企業・団体が支援・協力しています。
株式会社畑村創造工学研究所森ビル株式会社、東京エレクトロン株式会社、日産自動車株式会社、
東日本旅客鉄道株式会社、西日本旅客鉄道株式会社、株式会社松井製作所、
新川電機株式会社、新川センサテクノロジ株式会社、日本キスラー株式会社、
株式会社森精機、産業技術研究所、NHK、読売新聞、講談社、岩波書店
